経営体育成基盤整備事業に伴い延長約2,035mの排水路に施工された4か所の魚溜工,合流桝,曲り桝を対象として,出水時における魚類の退避場としての効果を明らかにするため,標識再捕獲調査を行った.降雨前と比較して降雨後に小型個体の割合が減少した魚種・地点が見られ,ミナミメダカでは標識放流時に比べて再捕時の体長分布のピークが大きかったことから,降雨に伴う流速の増加により,小型の個体が流されたと推察された.また,上流の地点で標識した個体が下流の地点(合流桝)で再捕されたことから,同一の排水路線上に複数の退避場を施工することで出水時に排水路からの個体の流失を防ぐことができる可能性が示唆された.