平成30年北海道胆振東部地震では,大きな地震動によって大口径パイプラインが甚大な被害を受けた.導水路沿線の軟弱な土質が深く堆積する特異な地盤の地域では,多くの個所でパイプの離脱や浮上などが発生した.特に曲管部は,埋戻し地盤,及びパイプの大きな変状により継手部の離脱が生じている.
本研究では,北海道厚幌導水路の二条配管されている曲管部を対象として,地震時の曲管の移動量予測と埋戻し材の力学的特性の影響を明らかにすることを目的として,二次元の動的弾塑性有限要素法解析を実施した.その結果,埋戻し地盤が地震時に強度低下することを考慮することによって曲管の地震による移動量を適切に予測できることを示した.