農業農村工学会論文集
Online ISSN : 1884-7242
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研究論文
用水路転落事故防止に向けた簡易的対策手法の検討
― アンケート調査と測域センサを用いた歩行動線分析から ―
星川 圭介宮口 知也寺田 和真榊原 一紀中村 正樹大原 誠田村 悟志竹沢 良治
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2022 年 90 巻 2 号 p. I_251-I_258

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抄録

水路に接する道路縁に一定間隔で設置したラバーポールが,歩行者の水路への近接を抑止する効果を検証するとともに,最適な設置間隔の検討を行った.農業用水路沿いにラバーポールを設置した集落の住民に対するアンケートでは,2mもしくは3m間隔で水路に面した道路縁に設置した場合において,警告効果が特に高いことが示された.また,測域センサを用いた歩行動線の観測により,ポールを3m間隔で道路縁に設置した場合,ポールを設置しない場合に比べて道路縁から歩行者の通行位置までの距離が統計的な有意差をもって大きくなることが示された.3m以下の間隔でラバーポールを水路沿いに設置することにより,不用意な水路沿いの歩行を抑止できる可能性がある.また,歩行者の動線は道路周辺の地物に影響されており,転落防止を目的とした施設の設置に際しては,歩行動線を把握しておくことの重要性も示唆された.

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© 2022 公益社団法人 農業農村工学会
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