2023 年 91 巻 2 号 p. I_231-I_238
鋼矢板の設計に必要となる水平方向の変形係数について,水平供試体を使用した一軸圧縮試験から決定し,通常の垂直供試体による試験結果および孔内水平載荷試験から得られた結果との比較検討を行った.シンウォールサンプリング試料土からの供試体の切り出し方法を工夫することによって,直径35 mm,高さ63 mmの水平供試体を作製した.水平供試体と垂直供試体を使用した一軸圧縮試験の結果から,地盤の異方性による一軸圧縮強さの有意差は認められたが,変形係数の有意差は認められなかった.また,孔内水平載荷試験から求まる変形係数は,水平供試体を使用した一軸圧縮試験から求まる変形係数の平均値の1/5程度の小さい値であった.