抄録
北海道のような積雪寒冷地では, 融雪期における流出系の入力である融雪量の算定が水文学上重要である。本論では, 経験的に用いられているdegree-day法を融雪量の推定に用い, 良好な結果が得られることを示した。また, この融雪量を流出成分分離則に従って分離・合成する簡易な入力~ 出力系モデルを作成し, このモデルの融雪流出の再現性が高いことを示した。さらに, 解析にはランドサットデータ等を活用し, 流域の雪線の後退状況から推算される融雪量と観測流出量が一致することを示すなど, 融雪流出解析におけるランドサットデータの利用方法を報告した。