1991 年 1991 巻 155 号 p. 53-59,a2
畑地における土壌水の動態と下層からの毛管補給の実態を明らかにするため,温室内で土壌カラムを用いて実験的研究を行った。供試土壌には砂質土,壌土,黒ボク土の3種を用いた。
その結果,試験期間全体の毛管補給量は,砂質土で蒸発散量の10%,壌土では19%,黒ボク土で29%程度となった。TRAMは土性ごとに大きく変わり,しかも生育時期によっても変化した。しかし,TRAMと蒸発散量の比は変化が少なかった。以上の事実から消費水量最大期のTRAMを用水計画に使うこと,通常の潅水管理は潅水間断日数を一定にして,この間の消費水量のみ補給するのが合理的であることを示した。