抄録
水質化学的視点から非作付期間の田からの表面排水を評価する目的で,1区画水田(2,070m2,浸入能1.3×10-1mm・h-1)を対象として,降雨Riによる汚濁物質と無機イオンの表面流出量Lsiを9回実測した。本田では表面流出は雨量3.5mm以上で発生した。耕起は粒子態成分を含む物質の流出負荷を著しく増大させた。表面流出負荷量はLsi=a(Ri-3.5)bで表現され,非作付期間の雨量データから表面流出負荷量を計算すると,TCODMn,TN,TP,K+それぞれ62.6,14.4,3.37,37.4kg・ha-1であった。この間の降水・降水塵による負荷量はそれぞれ26.3,11.2,0.473,2.2kg・ha-1で,TCODMn,TP,K+は相当大きな汚濁負荷になっていることがわかった。