農業土木学会論文集
Online ISSN : 1884-7234
Print ISSN : 0387-2335
ISSN-L : 0387-2335
1994 巻, 170 号
選択された号の論文の18件中1~18を表示しています
  • 畦畔除草に適した圃場整備技術の開発 (II)
    木村 和弘, 有田 博之, 内川 義行
    1994 年 1994 巻 170 号 p. 1-10,a1
    発行日: 1994/04/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    急傾斜地水田の圃場整備地を対象として,畦畔法面の形状や除草作業の実態を検討した。その結果,(1)つぶれ地を減少するために,法面の急勾配化の傾向が強いこと,(2)広大な畦畔法面の除草が苦痛を伴うため,農家は各種の労働軽減策を講じているが,それでも除草を行わない農家が出現していること,(3)法面では,除草方式や除草個所により身体的負担が異なる。とくに法先部では労働強度の大きい刈上げ方式が採られるため,身体的負担は大きい。このため法先部や法面での負担軽減対策が必要であること,を示した。
  • 畦畔除草に適した圃場整備技術の開発 (III)
    木村 和弘, 有田 博之, 内川 義行
    1994 年 1994 巻 170 号 p. 11-18,a1
    発行日: 1994/04/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    除草作業の危険性と農家の対応策を検討し,除草作業の安全性と効率のための小段を設置した畦畔法面の必要性を示し,その形状・配置を提案した。(1)急傾斜地での安全対策は遅れがちであるが,農家による法面上への足場の設置等の対策が一部で行われている。(2)設計指針等でも緩勾配化,小段の設置が示されているが,今まではつぶれ地の増加につながるものとして,設置例は少なかった。(3)事故の減少と身体的負担の軽減のためには,緩勾配化よりも小段の設置が重要で,そのための減歩を生じない小段の設置を提案し,配置・形状を示した。
  • 畦畔除草に適した圃場整備技術の開発 (IV)
    有田 博之, 木村 和弘
    1994 年 1994 巻 170 号 p. 19-25,a1
    発行日: 1994/04/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    畦畔除草を圃場整備技術の改良によって効率化する方法には,除草対象面積の縮小と除草作業に適した圃場形態の形成の2つがある。ここでは前者を考察対象とし,(1)畦畔およびその法,および(2)排水路・農道の除草面積について,耕区形態と畦畔除草面積の関係をモデルを用いて検討したところ,以下の結果を得た。
    1)一般的に,現況より耕区長短辺比が大きな(横長の)区画の採用が除草面積の縮小につながる。また,この傾向は傾斜地ほど著しい。2)道路・水路の延長の縮小対策としても耕区長短辺比の大きい方が有利。3)筆者らが提案している道路一本抜き工法適応型の等高線型圃場整備方式は除草面積の縮小面でも有利な技術である。
  • 畦畔除草に適した圃場整備技術の開発 (V)
    有田 博之, 木村 和弘
    1994 年 1994 巻 170 号 p. 27-34,a1
    発行日: 1994/04/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    畦畔除草を圃場整備技術の改良によって効率化する方法には,除草対象面積の縮小と除草作業に適合した圃場形態の形成の2つがある。ここでは後者を主な考察対象とした。
    排水路および畦畔の法の形態が除草労働の効率化にとって支配的意味を持つことに着目し,これと除草作業の関係を検討して,以下の結果を得た。
    1)排水路では全面装工や暗渠化が除草労働の効率化に有効であることを示した。2)しかし,これらは適用条件が異なるため,それらを整理して提示した。3)等高線型区画の圃場形態が除草の効率化の面でも合理性を持つことを確認した。
  • 藤居 良夫
    1994 年 1994 巻 170 号 p. 35-44,a1
    発行日: 1994/04/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    コンピュータ画像処理により,島根県八雲村の意宇川をベース写真として作成された6種類のシミュレーションモデルを用いて,地域住民に対して河川整備の総体的評価と情緒的評価についてのアンケート調査を実施した。結果として,河川の最も重要な機能に対しかなりの地域差がみられた。河川環境の情緒的評価を決める2つの共通因子,つまり快適性と活動性の因子が因子分析により抽出された。コンクリートや石より,芝生等の植物素材を用いた整備案が,どの地域においても評価が高い。しかし,芝生で整備した場合でも,河川敷に安易に遊具を設けたり,護岸を石垣で覆うと,整備案の評価に地域差が見られること等がわかった。
  • 國松 孝男, 羅 栄, 須戸 幹, 武田 育郎
    1994 年 1994 巻 170 号 p. 45-54,a1
    発行日: 1994/04/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    水質化学的視点から非作付期間の田からの表面排水を評価する目的で,1区画水田(2,070m2,浸入能1.3×10-1mm・h-1)を対象として,降雨Riによる汚濁物質と無機イオンの表面流出量Lsiを9回実測した。本田では表面流出は雨量3.5mm以上で発生した。耕起は粒子態成分を含む物質の流出負荷を著しく増大させた。表面流出負荷量はLsi=a(Ri-3.5)bで表現され,非作付期間の雨量データから表面流出負荷量を計算すると,TCODMn,TN,TP,K+それぞれ62.6,14.4,3.37,37.4kg・ha-1であった。この間の降水・降水塵による負荷量はそれぞれ26.3,11.2,0.473,2.2kg・ha-1で,TCODMn,TP,K+は相当大きな汚濁負荷になっていることがわかった。
  • 川岸町地盤を例として
    清水 英良, 仲野 良紀, 西村 眞一
    1994 年 1994 巻 170 号 p. 55-61,a2
    発行日: 1994/04/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    緩い飽和砂地盤にポンプ場等の水利構造物を建設する際,動的勢断強度を繰返し勢断応力で除した液状化安全率FL値が,地震時液状化の判定基準に用いられている。本論は,繰返し勢断応力の算定に用いられる地表最大加速度値に歴史地震資料から推定した年最大加速度分布を用いて,新潟地震の際に液状化した川岸町地盤について,液状化対策を実施した場合の液状化確率解析を行うものである。すなわち,盛土工とサンドコンパクションパイル(SCP)工の物理的改良工法を実施した場合の最適設計値を,費用最小の基準により求めた。その結果,最適設計値は,構造物の重要度に関係する費用指数のみで定まることが明らかになった。
  • 非軸対称な風および地震荷重
    青山 咸康, オクワチ シルベスタ, 竹内 隆豊
    1994 年 1994 巻 170 号 p. 63-74,a2
    発行日: 1994/04/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    風荷重や地震荷重のような非軸対称荷重を受ける単一サイロの力学挙動を研究した。解析は平面要素を組合せるシェル有限要素法を用いて行った。選定したシェルモデルに対する,非軸対称な風荷重と地震荷重の算定法を示した。この方法で風速35m/sおよび震度0.339(サイロ塔体のみ)と震度0.281(サイロ内容物)にそれぞれ相当する荷重での変位と内部応力を計算した。これらの荷重の大きさは日本建築学会の示方書に示された数値に基づくものである。
    サイロ使用時におけるこれら荷重の引きおこす変位や応力を一般状態のそれと比較するとサイロ壁には大きな応答変位や応力の生じることを確認した。
  • 奈良県五條吉野地区を事例として
    瀧本 裕士, 田中 正, 堀野 治彦, 渡辺 紹裕, 丸山 利輔
    1994 年 1994 巻 170 号 p. 75-81,a2
    発行日: 1994/04/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    未造成地(山林)と造成農地のどちらが渇水緩和機能に優れているのか?
    本研究では,造成山林農地と山林の1980年以降12年間の水文データをもとに,対照流域法により農地造成に伴う長期流出特性の変化を実証的に調べた。その結果,(1)ハイドログラフより,夏期の渇水時において,山林よりも造成農地の方が流量が大きくなる。(2)流況曲線より,この現象は流出高が約0.5mm/d以下の所で起こっている。(3)水収支から,山林と造成農地の潅漑期における流出率の差は損失量の差にして約112mmになり,これは蒸発散量の差と考えられることがわかった。
    これらの結果,本地区では,山林よりも造成農地の方が渇水緩和機能に優れているということがわかった。
  • 木全 卓, 長谷川 高士, 内田 一徳
    1994 年 1994 巻 170 号 p. 83-90,a2
    発行日: 1994/04/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    平面ひずみ条件下での粘土の勢断特性を調べるため,K0圧密した飽和カオリンを用いて非排水静的勢断試験を行った。その結果,K0=1-sinφ'の関係式やピーク強度までのひずみ量がきわめて小さいことや,K0圧密粘土の基本的な諸特性が平面ひずみ状態でも当てはまることが確認された。また,間隙水圧の大きさや中間主応力の発達状況など,砂質土とはかなり異なった挙動を示すこともいくつか明らかになった。さらに,極限状態における中間主応力係数(b値)が初期圧密などの試験条件によらずほぼ一定の値に収束することに着目し,この値を用いて三軸試験の結果から限界状態における平面ひずみ強度を計算する方法を提案した。
  • 農地造成が流域水循環に与える影響 (I)
    田中丸 治哉, 角屋 睦
    1994 年 1994 巻 170 号 p. 91-97,a2
    発行日: 1994/04/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    石川県の輪島柳田農地開発地区およびその近傍の丘陵林地に設けられた農地造成流域と未造成流域の8年間の水文資料に基づいて,両流域の洪水流出.渇水・蒸発散・水収支特性を比較検討し,農地造成が流域水循環に与える影響を考察している。すなわち,造成に伴う洪水到達時間の短縮がピーク流出量の増大にとくに寄与していること,両流域の豊水期や平水期の流量には大きな差はないが,約2mm/d以下の渇水期において造成流域の流量が未造成流域のそれを下回ること,造成流域の方が未造成流域より蒸発散量が少なく,長期流出量がやや多いこと,などが示されている。
  • 農地造成が流域水循環に与える影響 (II)
    田中丸 治哉, 角屋 睦
    1994 年 1994 巻 170 号 p. 99-105,a2
    発行日: 1994/04/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    石川県の輪島柳田農地開発地区およびその近傍の丘陵林地に設けられた農地造成流域と未造成流域にそれぞれ長短期流出モデルを適用し,長期および短期の流出特性を吟味した。まず4年間の資料を用いてモデル定数を同定したところ,低水・洪水ともに再現性はほぼ良好であることが示された。両流域の最適モデル定数を比較すると,比較的速い流出成分に対応する第1タンクの定数のみに違いがみられた。さらに,両流域の水収支成分の構成比を比較すると,農地造成流域は未造成流域よりも全流出高はやや多いが,地下水流出成分だけを見ると逆にやや少ないことが示された。
  • 特殊田の造成に関する調査試験 (IX)
    土崎 哲男
    1994 年 1994 巻 170 号 p. 107-112,a3
    発行日: 1994/04/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    現在,栽培のためのジュンサイ田造成が盛んに行われているが,施工計画なしに実施され問題点も少なくない。そこで,これまでの調査試験結果から,施工計画の基本的諸元を用意した上で,ジュンサイ田を造成した経緯を主として施工面より整理したものである。
    その結果,ジュンサイ田の施工は,小区画内で機械と人力施工,および各工程が重複するので施工計画なしに効果的施工は望めないことを確かめた。また段差がある場合の畦畔造成は,側方浸透抑止対策が必要であり,強固な畦畔が安定上また管理上有利であることを確かめた。なお採取量実験は,秋田県の標準を上回り,造成と諸管理が適正であることが認められた。
  • 事業実施・未着工地区へのアンケート調査結果から
    齋藤 晴美, 野道 彰一
    1994 年 1994 巻 170 号 p. 113-125,a3
    発行日: 1994/04/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    圃場整備事業実施地区のアンケートに基づき(1)転作,農業情勢,土地,人間関係,生産条件,構造政策,非農用地,転用,線引き,農家負担の6つの成分により7クラスタ,(2)土地改良区が事業に取り組んだ理由を農家負担,生産条件,非農用地,道路整備の主成分により4クラスタ,(3)農家が同意した理由を生産性の向上,構造政策,経営基盤の整備の主成分により3クラスタ,(4)農家が同意しない理由を人間関係,生産調整,農業情勢,換地,負担金の主成分により4クラスタに分類した。また,未着工地区における事業に同意しない理由を数量化理論1類により分析すると,反対農家は換地,営農,減歩および生産調整に不安を有するからである。
  • 佐藤 清, 今野 武, 田仲 喜一郎, 亀井 信彰
    1994 年 1994 巻 170 号 p. 127-132,a3
    発行日: 1994/04/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    ペンケ水路橋は北海道幹線用水路の一部であるが,その下を立体交差しているペンケ歌志内川の改修工事に伴い,期存の水路橋(l=30m)を長さ137.4mの水路橋に架け替る工事が行われた。工事は短い非潅概期に完了しなければならず,工期短縮のため,前年に製作した重さ6,500tfのPC連続桁水路橋上部工を横取りする工法が採用された。この工事規模は国内はもとより海外でも例を見ない。施工方法は6本のレール上に下端がスリップする36個のジャッキで躯体を持ち上げ,その状態でレールをアンカーにして横押しジャッキで躯体を移動した。その成果は,ハイテクシステムを駆使したことにより,3日間で50mの移動に成功した。
  • 森 保文
    1994 年 1994 巻 170 号 p. 133-134,a3
    発行日: 1994/04/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    モデルの精度の記述法を比較して,各記述法の特徴を整理した。
    推定の誤差の平均偏差,推定の誤差の標準偏差,相対標準偏差,実測値と推定値の相関関係,回帰直線の傾き,切片をモデルの精度の記述法として検討した結果,標準偏差が精度の記述法として適当であり,その他はいずれも適当でないことが明らかとなった。ただし,実測値のどの部分を推定しようとしているのか,つまり,値の低い部分なのか,高い部分なのかなどを明確にして,その部分について標準偏差を求めることが必要である。
  • 1994 年 1994 巻 170 号 p. e1a
    発行日: 1994年
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
  • 1994 年 1994 巻 170 号 p. e1b
    発行日: 1994年
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
feedback
Top