抄録
軟X線による土壌孔隙のフィルム画像から孔隙の三次元座標を読取るための画像処理システムを改良した。最初に軟X線撮影や陰影(ネガフィルム上)のデジタル入力の際に生じる誤差を検討し, 供試土壌の移動や孔隙の陰影の識別精度が孔隙の座標計算に最も影響することを示し, 移動精度0.02mmの移動ユニットで供試土壌の移動を制御した。次に, 左右のフィルム画像から, 同一孔隙による陰影を識別し, 三次元座標を計算するシステムを試作した。針金を孔隙に代用した疑似孔隙のステレオ映像に上述の成果を適用し, システムの有用性を確認した。また, 実際の土壌孔隙に適用する場合の問題点を指摘して, 今後の発展の方向を示した。