流域の水収支を構成する基本量は降雨量時系列{R}と蒸発散時系列{ET}であり,これらの時系列は,年による変動,季節による変動,日変動などの各種の変動成分が加わって,不確定で不安定な変動をする.このために水資源の利用・開発計画では,一年間の内で,水収支不足が最も顕著となる特定期間(Critical Period)における供給可能な強度によって,その年全体の水利用量が制限を受けることとなる.そこで,ここではこの期間の平均供給可能強度によって水資源の供給能を評価することとして,その具体的な計算方法を提案するとともに,その方法による評価例をもとに水資源の供給能と需要ポテンシャルについての考察を行う.