抄録
現在の農山村地域は過疎化と高齢化に向かい, このままでは地域の存続そのものが危惧される場合も考えられる. 地域の活性化をはかるためにも, 農村整備事業の重要性は今後ますます増大してくる. とくに, 生活環境と就労環境の質の改善をはかることは重要である. その計画においては, 現況把握だけでなく, 今後の環境整備に対する要因の構造分析が重要になり, 人間の行動や意識の在り方を検討する必要がでてくる.
ここでは, 過疎問題に苦慮している島根県三隅町を取上げ, 転出・転入者の意識から生活環境と就労環境の評価構造を分析し, 過疎化に対する施策を今後の農村整備の方向性から検討した.