抄録
水利事業計画の視点から,河川流量時系列の変動特性を表現するため,一定量の取水を実現するための計画貯水池容量(CR)を評価指標とすることを提言し,それを使用して日本の河川流量を分析した.国内10の多目的ダム流入量記録を用い,取水期間が全年と水田潅漑期の2つの場合について,利用流量とCRの関係,およびCRの決定要因を検討した.その結果,全年のCRと潅漑期のCRの比は地方による特徴があること,渇水流量を超える水利開発を行う場合のCRは,開発流量の2乗に比例し,その比例定数は,ほぼ平均流量だけで決まっていることを明らかにした.