農業土木学会論文集
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養牛地域における畜産と河川水窒素濃度との関係
畜産主体の集水域における窒素流出に関する研究 (IV)
志村 もと子田渕 俊雄
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1997 年 1997 巻 189 号 p. 375-380,a1

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抄録
養牛6地区(舎飼3地区・放牧3地区)の河川水の水質(EC・T-N濃度・NO3-N濃度)を調査した. 飼養頭数密度と硝酸態窒素濃度との間には正の相関が見られた. 養牛の河川水質への影響は素掘貯留池を伴う養豚より小さく, 窒素排出率も10%以下と養豚の1/3以下にとどまった. 養牛地域は低飼養密度のため下流部における窒素濃度がT-N濃度で4.4mg/l以下, NO3-Nで3.0mg/l以下と低く, 解析の際にはバックグラウンドとなる面源の影響が相対的に大きいことを考慮する必要がある. また, 舎飼と放牧では放牧地の河川の窒素濃度の方が, 低い傾向が見られた. 放牧中の夏季と放牧しない冬季の濃度差はほとんど見られなかった. 肥培潅漑地区では若干の濃度抑制効果が見られた.
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© 社団法人 農業農村工学会
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