農業土木学会論文集
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レンコン表皮の黒変・褐変現象の発生状況と土壌の酸化還元状態との関係
ハス田の圃場整備に関する基礎的研究 (I)
長嶋 律多田 敦東 照雄
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1997 年 1997 巻 189 号 p. 411-418,a2

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抄録
レンコン表皮の黒変現象と褐変現象の関係, それらと作土のEhとの関係について, 現地圃場でこれらの関係を実測確認し, 次のことが明らかになった.(1) 黒変・褐変物質共に主成分は鉄である.(2) 黒変・褐変物質は共にEhがほぼ-100mV以上の場所で付着し, Ehの高い場所で多く付着する.(3) ハス田のEhは,夏期には低い領域にあるが, 秋・冬期の温度低下に伴い, 作土上層から上昇する. したがって, 収穫最盛期の冬までEhを低く保ちうる圃場・水利条件が必要である.(4) 土壌Eh以外に黒変・褐変現象に影響を与える要因として, レンコン生育深さの土壌で遊離鉄含量が低いほど,有 機物含量が高いほど黒変・褐変物質の付着は少ないことを示した.
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© 社団法人 農業農村工学会
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