抄録
野外土壌の飽和透水係数(Ks)の平均値推定のためのサンプリング計画は, 用いるべきサンプルスケールおよび推定精度の点から十分に確立されていない。この点を解決するため, 粗間隙に着目した土壌間隙構造モデルを提起し, それに基づいて任意のサンプルスケールにおけるKsの平均, 分散, 分布形を確率論的に考察し, 推定精度に基づくサンプリング計画のあり方を論じた. その結果,(1) Ksの平均値の推定精度と関連する要素は, サンプル総面積であり, サンプルスケールとサンプル数は目的とする推定精度に対応したサンプル総面積を満たすように設定すべきであること,(2) 間隙構造およびサンプル総面積と推定精度とを関係づける式, を明らかにした.