農業土木学会論文集
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底泥の物理・化学性と底生動物の分布からみた今津干潟の特徴
大坪 政美朝廣 和夫高見 昌二郎岡部 為信
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1997 年 1997 巻 190 号 p. 481-489,a1

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抄録
福岡市西部に位置している今津干潟における底泥の物理・化学的性質, 底生動物を調査し, その結果をもとに干潟の特徴, 諸性質の相互関係を考察した. 底泥中の粘土含有量は2~36%の範囲で変化し, 瑞梅寺川が流入する湾奥とみお筋, 常時水面下にある地点で高い値を示した. 泥土中の有機物含有量と粘土分含有量との間には正の相関が認められた. 底生動物の総個体数と多毛類の個体数は, 河川の流入口付近で多く, 常時水面下にある地点で少なかった. 有機物含有量の増加により, 多毛類の総重量は干潟になる時点では増える傾向にあるが, かなりの期間水面下にある地点では低い値を示した. また多毛類は, 0~-340mVの酸化還元電位の範囲に分布するが, 酸化還元電位が高すぎても低すぎても多毛類の量は減少する傾向を示した。多毛類の分布から, 河川の流入口が最も汚濁が著しいことがわかった.
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© 社団法人 農業農村工学会
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