農業土木学会論文集
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団粒径, 雨滴径ならびに初期水分が国頭マージにおける土壌クラスト形成に及ぼす影響
西村 拓中野 政詩宮崎 毅
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1999 年 1999 巻 199 号 p. 17-22,a1

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抄録

降雨中の地表面における土壌の分散、クラストの形成のメカニズムを明らかにするため、人工降雨と水滴発生装置を用いた室内実験を行った。供試土は国頭マージを用い、1-3mm、3-5mmの二つの団粒径の試料を風乾からほぼ飽和までの三段階の初期水分に調整した。風乾で水滴径が団粒径よりも大きな場合のみスレーキングが観察された。風乾でも水滴径よりも団粒径が大きな場合や初期水分が高い場合は、団粒は, 破片を生じるような形で崩壊した。薄片試料による土壌クラストの観察結果は水滴による団粒破壊の様式と傾向が一致した。すなわち、風乾で水滴径が団粒径よりも大きな場合にスレーキングによる緻密なクラストが形成し、その他の条件では、土粒子の破片が間隙を埋めるような形で目詰まりが生じた。

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© 社団法人 農業農村工学会
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