心臓
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液体導体内における高周波電位に関する検討
熱田 英彦原 正壽西尾 智戸兵 雄子松本 直樹今村 諭三宅 良彦
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2012 年 44 巻 SUPPL.1 号 p. S1_16

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抄録

[目的] 近年,防水性に優れたホルター心電図測定装置が開発されており,入浴中などの環境下で記録が可能となっている.しかし,液体導体内での高周波成分の変化に関しては検討されていない.そこで,液体導体内での高周波電位の変化に関して評価し,心室遅延電位が計測可能か否かを検討した.
[方法] 銀・塩化銀電極を用いてCM5誘導で心電信号を導出した.電極および周辺を防水テープで絶縁し,胸部を淡水,人工海水で浸した.Power Lab ML135バイオアンプ およびML870システムを用いて,サンプリング周波数1KHz,分解能1µVで,デジタル記録を行った.専用ソフトウェアで乾燥状態と淡水,人工海水が存在する状態のQRSについて,原波形および高周波(75-150Hz)の各波高値,および積分値の比較を行った.
[結果] 躯体の周囲に伝導性がある液体が存在した場合において,原波形および高周波のQRS波高・積分値の変化を比較・検討した.いずれの環境下においても各電位に変化は認められなかった.
[結語] 心電図中に含まれる高周波電位は,各導体の環境下においても変化しなかった.したがって,水中での心室遅延電位などの高周波記録も可能であると考えられる.

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© 2012 公益財団法人 日本心臓財団
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