農業用パイプラインにおいて, 開水路を更新して管路化する場合などには非常に大きな通水断面が求められる。最近では維持管理面から多条のパイプを同一溝内に埋設する方法も採られているが, このような並列パイプラインの報告事例は少なく, 現状では1本のパイプを埋設する場合と全く同様に設計されている。今回, φ2400mmFRPM管の二条埋設パイプラインにおいて, 施工時から1年間の現場実証試験を実施した。その結果, 矢板引き抜き時の影響は矢板に近い側のパイプだけに大きく表れること, パイプ側部のひずみは溝中央側が小さく矢板側の80%程度であること, またひずみ分布は矢板側ヘピークが移動して左右のパイプでほぼ対称形を示すことなど, 二条埋設に特有の挙動が認められた。しかしながら施工過程を通じた基本的な挙動は, 1本で埋設した場合と変わらないことがわかった。