農業土木学会論文集
Online ISSN : 1884-7234
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大きな水位変化を伴う流れの解析法
桐 博英藤井 秀人中矢 哲郎
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2000 年 2000 巻 205 号 p. 101-107,a2

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抄録

貯水池や密度差がある流れを対象とした数値シミュレーションでは, レベルモデルによる準三次元解析が行われる場合が多い。しかし, レベルモデルでは表層の層厚が水位の変動量に依存し, 水位変化が大きい場合には表層付近の再現性が低くなるため, 解析対象は水位変化が比較的小さな流れがほとんどである。本報では, 二次元洪水氾濫解析で用いられる移動境界手法を多層に拡張して, 水位が大きく変化しても層厚を大きく変化させることなく解析が可能な計算方法を提案し, その妥当性を検討した。数値解析例として直線水路における波の伝播の解析を行い, 水面が層の境界を越えても安定して計算が行われること, 従来のレベルモデルの解析法では再現が困難な表層付近の鉛直方向流速が再現できることを確認した。

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© 社団法人 農業農村工学会
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