農業土木学会論文集
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道後平野における農業用水の地下水涵養効果の一試算
藤原 正幸大橋 行三
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2000 年 2000 巻 208 号 p. 579-587,a3

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抄録
潅漑水が地下水位変動に与える影響について, 道後平野を対象とし, 有限要素法による準三次元浸透流モデルを用いて検討した.シミュレーション期間として豊水年と渇水年が連続する1993年1月1日から1994年12月31日を設定し, 境界条件として河川水位, 内部条件として道後平野に多数分布して当地域の水利用の特徴でもある上水道・工業用水用井戸の揚水量を与えた.計算ケースは灌漑期間 (6月6日~10月5日) 中の無降雨日および4mm/d以下の降雨日に, 水田から2mm/dの地下水涵養量が農業用水により供給されるケースと供給されないケースである.これらの計算結果の比較から, 潅漑水による地下水位上昇量の時空間分布を明らかとした.その結果, 道後平野の南西部において潅漑水の有無による地下水位の差が他の地域に比べ大きいこと, また豊水年よりも渇水年でその水位差が大きくなることがわかった.
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© 社団法人 農業農村工学会
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