農業土木学会論文集
Online ISSN : 1884-7234
Print ISSN : 0387-2335
ISSN-L : 0387-2335
地域用水の水質と利用状況の関係
古川 政行金木 亮一
著者情報
ジャーナル フリー

2001 年 2001 巻 214 号 p. 515-522,a3

詳細
抄録

集落内水路の水質を測定し, 地域用水の利用状況と水質との関係を検討した. 調査対象には滋賀県湖北地区から4集落を選定した. 家庭雑排水が水路に混入している集落では地域用水によって雑排水が希釈されており, 地域用水が水質保全機能を有していることが分かった. また, 農業集落排水処理施設が供用されている集落では, 集落内水路での水質浄化が確認された. アンケート調査によると, 地域用水の主な利用目的はいずれの集落も洗浄, 防火, 消流雪であったが, 集落間で利用頻度に差が見られた. 一方, 用水を積極的に利用しない理由としては水質や衛生面の問題を挙げる割合が高かった. そこで, 実測値を水質基準値と比較した結果, 利用頻度の低い集落では水質基準値より劣るケースが多く見られ, 水質が地域用水の利用に大きく影響を及ぼしていることが実証された.

著者関連情報
© 社団法人 農業農村工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top