抄録
これまで都市近郊での不耕作農地は農業的土地利用から都市的土地利用へ変化する過程における中間的存在とみなされてきた。本研究では神戸市西区を対象に, 1986年から2000年における不耕作後の土地利用変化を市街化区域, 市街化調整区域別に調べた.その結果, 不耕作農地は都市的用途へ転用されるだけでなく再び農地として耕作されるケースや, 不耕作農地のまま残されるケースもあることが分かった.
このように不耕作後に利用先が分かれる要因として農家から農地までの距離や, 農地の道路への接続の有無が影響していることを明らかにした。また不耕作農地のまま残されるケースの解決には, 圃場整備等による基盤整備が必要であることを指摘した.