農業土木学会論文集
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進化戦略による流出モデル定数の最適同定
藤原 洋一田中丸 治哉畑 武志多田 明夫
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2003 年 2003 巻 227 号 p. 679-689

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抄録
進化戦略 (Evolution Strategy: ES) は, 大域的最適化手法の一つである.ESのアルゴリズムは, 多点探索や交叉が導入されている点ではGAに類似している.しかし, ESの主な特徴は, 決定変数に正規乱数の摂動を加える形で突然変異を行い, これを主な探索手段としていること, 摂動の大きさが自己適応によって変化することにある.本研究では, ESをタンクモデル定数の同定に適用し, 真値を設定した数値実験によってESの探索能力を検証した.また, 永源寺, 大迫, 青蓮寺ダム流域の観測流量資料によるタンクモデル定数の同定を試みた.これらの検討により, ESおよび並列型ESの探索能力は, バイナリGAおよび実数型GAよりはるかに優れており, 得られたモデル定数の一貫性に関しては, 並列型ESは, 現在のところ最も強力な最適化手法と目されているSCE-UA法と同等ないしより強力であることが示された.
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© 社団法人 農業農村工学会
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