農業土木学会論文集
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LCA手法を適用したバイオマス資源循環の評価
肉用牛・耕種複合経営の物質フローとリサイクルプロセスの事例的分析
小林 久柚山 義人
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2006 年 2006 巻 241 号 p. 13-23

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抄録

バイオマス資源循環評価に対するLCA手法適用の有効性を検討するために, 肉用牛・耕種複合農業経営の資源・エネルギー利用とバイオマス資源循環を対象に, ライフサイクル環境負荷の推計・比較を試みた.その結果, 経営規模別のライフサイクルにわたる1頭1年当たりエネルギー消費 (LC-E, 114~12.OGJ/頭/年) およびGHG排出 (LC-G, 0.97~1.07t-CO2eq./頭/年) に大きな差は認められなかったが, 栽培, 家畜飼養, 処理などの活動段階別のLC-E・LC-G構成割合は経営規模により著しく異なることを示した.機械的堆肥化, メタン生産+ガス発電+堆肥化, 自給飼料作付け増のシナリオを対象に推計したLC-E/LC-Gは, 現況に比べそれぞれ83%増/41%増, 13%減/23%減, 6%減/2%減となった.このような推計から, 現行の技術水準でのバイオマス資源循環の妥当性や海外資源依存が及ぼす影響を総合的に検討・分析するために, LC-E/LC-G心は有効な評価指標になると考えられた

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© 社団法人 農業農村工学会
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