2006 年 2006 巻 245 号 p. 721-727
本研究は, 琵琶湖沿岸に広がる低平地水田流域に実施された循環灌漑による濁水負荷の流出削減効果を評価した.結果として, 代かき期の削減効果が大きいことが示された.代かき期の循環灌漑では, 従来の逆水灌漑に比べ, 最大で152 kgha-1 (2004年), 415 kgha-1 (2005年) の濁水負荷の流出が削減されていたものと推定された.このとき, 濁質の水田への還元量は, それぞれ37kg ha-1および204kg ha-1であった.一方で, 削減効果は気象条件や施設管理に大きく左右されることが示唆された.