農業土木学会論文集
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ガーナ国における効果的農民参加型灌漑管理のための組織体制
佐藤 勝正佐藤 政良
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2006 年 2006 巻 245 号 p. 767-775

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抄録
日本の協力による「灌漑小規模農業振興計画」は, ガーナ国灌漑開発公社 (GIDA) が管轄する2ヶ所の灌漑事業地区, アシャマンとオチェレコをモデル地区とし,「参加型灌漑管理 (PIM) を基本とする営農システムの確立」と「他の灌漑事業地区の営農システム改善のためのガイドラインと戦略の策定」を目的に1997年から7年間実施された. 援助の過程で, モデル地区の農民は, 異なる灌漑管理体制を選択し, GIDAの介入を拒否したアシャマン地区とGIDAの関与を受け入れたオチェレコ地区は, 水利費徴収率と施設管理において対照的な違いを見せた.本稿は, この2地区を対象に水管理における政府と農民組織の役割について検討を行い, 両地区ともPIMを実施する上では, 政府との適切な役割分担, 協力が必要であること, また援助終了後の農民組織の自立発展性評価においても, こうした視点が重要であることを明らかにした.
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© 社団法人 農業農村工学会
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