農業土木学会論文集
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畑地圃場の客土履歴の有無と中型土壌動物相の多様性
金子 綾三原 真智人駒村 正治
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2007 年 2007 巻 248 号 p. 131-136

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抄録
東京都多摩市を中心とする地域において, 畑地圃場の客土履歴の有無および肥料施用と中型土壌動物相の多様性の関連を調べた. 客土後の耕作期間は25年程度である. 多様度の評価にはSimpsonの多様度指数の逆数1/λおよびFisherの多様度指数α+1を用いた. 客土履歴の有無による個体数・属数・多様度の差は見られなかったが, 2種の多様度指数の差をとると, 客土圃場ではSimpsonの多様度指数が大きく非客土圃場ではFisherの多様度指数が大きい傾向を示した. 水分の安定が中型土壌動物増加に寄与するとされており, 非客土圃場では保水性に影響する団粒構造や腐植等が客土圃場より発達していると考え, 2種の多様度指数の差から圃場の成熟度合いを知ることができると考察した. また, Fisherの多様度指数では施肥量を説明変数1とした重回帰式が得られ, 肥料施用は中型土壌動物相のFisherの多様度を増加させると考えられた.
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© 社団法人 農業農村工学会
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