農業土木学会論文集
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南薩地区の営農に基づく集落類型と畑地かんがい事業に対する農業者意識の特性
門松 經久籾井 和朗肥山 浩樹小路 順一
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2007 年 2007 巻 248 号 p. 219-227

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抄録
本研究では, 畑地かんがい事業の合意形成に対応する行政の基礎的知見を得るため, 南薩地区を対象として, 野菜類・原料用甘藷・茶により集落を類型区分 (集落類型) し, 農業者の事業への関心事項について検討を行った. また, 露地野菜・施設園芸・原料用甘藷の単作農業者 (単作類型) を設定し, 集落類型と同様の検討を加えた. その結果, 茶類型と施設園芸単作では「収益性」や「作業性」に対する重視度のほか,「生産の安定」や「必要時の散水」に対する重視度が高く, 水を生かす積極的営農志向が強いといえる. 原料用甘藷では「生産の安定」等に対する重視度が低く, 従来の営農形態を基本とする保守的営農志向が強く, 畑かん営農にとっての課題が指摘される. 露地野菜単作では「収益性」等に対する重視度で施設園芸単作と原料用甘藷単作の中間に位置するなど, 積極的営農志向が必ずしも強くないことが明らかになった.
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© 社団法人 農業農村工学会
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