農業土木学会論文集
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廃材炭化物利用によるクリーク流入負荷の削減に関する基礎的研究
原口 智和加藤 治田中 明
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2007 年 2007 巻 249 号 p. 305-311

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抄録
廃材の炭化物の水質浄化能力に関する実験を行った. 循環型カラム通水装置に粒径の異なる2種類の木炭, および松葉炭の計3種類の炭化物をそれぞれカラムに充填し, 硝酸カリウム水溶液および懸濁水を大間隙が飽和に保たれるよう通水させた. 電気伝導度およびpHの時間的変化量は, 硝酸カリウム水溶液の実験より懸濁水の実験のほうが小さかった. リン成分については, 硝酸カリウム水溶液の実験において木炭より松葉炭でリン酸態リンおよび全リンの濃度増加が著しく大きくなり, 懸濁水の実験ではそれらの濃度は減少 (木炭) または一定 (松葉炭) となった. 無機態窒素に関しては, 松葉炭は木炭よりも濃度減少が大きく, とりわけ硝酸態窒素の除去に効果があることが示された. また, 懸濁水を通水した場合, 溶解物質の全濃度が高いこと, ならびに炭化物表面への浮遊物付着のため, 溶解性成分の溶出速度が低下することが示唆された.
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© 社団法人 農業農村工学会
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