抄録
本研究は, ススキ束を用いたうね間部分マルチの土砂流出防止効果を明らかにしたものである. ススキ東を用いたうね間部分マルチとは, ススキを長さ1m程度, 直径15-20cmに束ね, うね間の末端に置く方法である. 本研究では, 長さ15m, 隣り合ううね頂部の距離1mのうね間を2本用い, 一方をマルチうね間, 他方を裸地うね間として, 両うね間からの流出土砂量を測定し, それらを比較することで, ススキ束マルチの土砂流出防止効果を求めた. その結果, ススキ束マルチの土砂流出防止効果は46%に達することが確認された. また, 流出土砂をフルイ分けし, ススキ束マルチの流出防止効果を粒径別に求めると, 沿岸海域汚染の原因となる粒径0.1mm未満の微細土粒子に対して30%, 1mm以上の粗砂に対して94%が得られた.