農業農村工学会論文集
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コンクリートにおけるオイルパーム廃棄物の灰の役割
Zakaria HOSSAINAbdul AWAL
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2007 年 2007 巻 252 号 p. 609-616,a1

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抄録

オイルパーム廃棄物とその生成物, 例えば, オイルパームの繊維やその殻を燃やした後で得られる灰が特にマレーシアや熱帯地域で重大な環境問題の原因になっていることはよく知られている. これらの灰は, ただ経済的な見返りを伴わずに捨てられるだけではなく, 多大な資金がその処分のために使われている現状を考え, コンクリート製品への効果的な使用を研究するに至った. 本論文は普通ボルトランドセメントの部分的代用としてのヤシ油燃料灰 (POFA) を含んだコンクリートの性能に関するいくつかの実験結果を示している. コンクリートに対するPOFAの使用はワーカビリティーのみならずブリージングをも効果的に減少させることを明らかにした. 圧縮強度についてはセメントに30%のPOFAを用いても何ら強度損失は生じない. 強度性状とともに強い化学的環境のもとでのコンクリートの性状についても言及している. 短期的, 及び長期的実験研究の結果, ヤシ油燃料灰はコンクリート構造物におけるセメント代替材料として十分適用可能な能力を有していることが判明した.

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