赤土流出対策の一つとして沈砂池的機能が期待されている石垣島の水田を対象として, 計6回の降雨出水イベントにおける浮遊土砂の収支を観測し, 以下のことを明らかにした. 1) 水田からの浮遊土砂の流出は, 降雨終了後6時間あるいはそれ以上経過した後でも継続する. 2) 水田に流入する濁水に含まれる粒径0.1mm前後の土粒子は水田内で沈積する. 3) 粒径0.03mm前後の細かい土粒子が, 水田内で新たにかつ多量に浮遊し, 水田から流出している. 4) 対象水田は浮遊土砂のシンクではなく, ソースとして機能している可能性が高い. 5) 総降雨量が大きいと差引流出負荷量も大きくなる傾向がある.