抄録
野洲川用水の多面的機能を評価するため, CVM (仮想暢法) を用いターンブル法とワイブル回帰によってWTP (支払意思額) 平均値を求めた結果それぞれ4,352円と4,096円となった.また, 用水の機能の有用度と重要度を総合した指標を用いて各機能への評価配分を行った結果, 治水, 生態系保全と水質保全の機能評価が高かった. 治水, 生態系保全および水質保全の各機能に対する評価額は, それぞれ1262円, 827円および1,001円となった.さらに, 現在では治水という実用的な機能が高く評価されているが, 今後は地域環境に関連した水質保全機能が最も期待される機能であるという結果が得られた. 最後に, アンケート調査の困難さを踏まえて, 今回および以前に調査された地域の近隣における農業用水の多面的機能に対する経済評価の概略値を知るため, ターンブル法によるWTP平均値と非農家率との関係を提示した.