農業農村工学会論文集
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矢板引抜きに伴う地盤と地中構造物の相互作用に関する研究
不連続な地盤面の接触を考慮した弾塑性有限要素解析
松島 健一田中 忠次毛利 栄征
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2008 年 2008 巻 254 号 p. 151-160,a2

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抄録

地盤内に設置された矢板を引抜く際, 地盤に生じた空隙が応力の再配分を引き起こし, 地中構造物に大きな影響を及ぼす. 本研究では, 矢板引抜きに伴う地盤と地中構造物の相互作用メカニズムを解明するため, 矢板引抜き現象を考慮した数値解析モデルを開発した. 地盤中の応力解放は要素掘削手法を適用し, 空隙両側の不連続な地盤面の接触は, Belytshko et al.(1991) が提案したピンボールアルゴリズムを採用した. 本手法は, パイプラインを対象とした矢板引抜き模型実験における埋設管のたわみや地表面沈下などの挙動を定性的に予測できることが分かった. また, 地盤中のひずみや土圧分布の変化などから埋設管のたわみの発生メカニズムを明らかにすることができた.

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© 社団法人 農業農村工学会
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