抄録
本研究では, 未利用バイオマスの農地への還元利用の可能性を探るため, 土と木くず, 稲わらの混合物を作製し, それらの締め固め試験を行い, その物理的性質 (三相分布, 硬度) の変化について実験を行った. 三相分布では, 木くず, 稲わら共に混入率を上げるにつれて試料中の間隙率, 特に気相率が増加していった. 気相率の増加に関して木くずと稲わらとで比較をしたところ, 実体積で同量混入した場合, 増加の割合が稲わらの方が木くずより大きいと分かった. 硬度では, 木くず, 稲わら共に混入率を上げるにつれて硬度が低下した. そしてその原因を, 硬度, 混入率, 乾燥密度の3つの関係から検討し, 特に間隙の増加によるものと考えられた. さらに硬度は土の含水比からも影響を受けていた.