農業農村工学会論文集
Online ISSN : 1884-7242
Print ISSN : 1882-2789
ISSN-L : 1882-2789
中国式温室におけるキュウリ圃場の最適灌概スケジューリング
黄土高原延安地区を例として
白 艶梅猪迫 耕二梁 銀麗井上 光弘田熊 勝利
著者情報
ジャーナル フリー

2008 年 2008 巻 257 号 p. 465-471,a2

詳細
抄録

黄土高原における中国式温室 (CSG) 内の灌漑されたキュウリ圃場における水収支を経験的水収支モデルで解析した. まず, 現行の灌漑方法を解析した結果, 生育期間後半における土壌水分量の増加が認められ, 節水の余地があることが明らかとなった. 次いで, キュウリの生育ステージを3つに分けるシナリオと生育ステージを2つに分けるシナリオをそれぞれ3っずっ設定し, 灌漑シミュレーションを実施した. その結果, 作物ステージIの1回の灌漑水量を45mm, 間断日数を38日, ステージIIでは44mm, 15日, ステージIIIでは43mm, 13日とするシナリオで, 全灌水量と灌概回数がそれぞれ352mm, 8回で最小となり, 総水量, 灌漑回数の観点から最適となることが示された. 以上より, CSGにおける現行の灌漑方法は, 間断日数と灌漑水量を最適化することで改良できることが明らかとなった.

著者関連情報
© 社団法人 農業農村工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top