農業農村工学会論文集
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屋上緑化の灌漑計画における植物を含めた有効水分量の評価
田中 聡山本 太平森谷 慈宙井上 光弘
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2008 年 2008 巻 258 号 p. 515-522,a1

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抄録

本研究では人工気象室内で, 生育に適正な温度および高温条件下におけるセダム (常緑キリンソウ) の蒸散量を測定し, 植物体内水分量を含めた新しい有効水分量について検討を行った. その結果, 以下のことが明らかとなった.(1) 蒸散比は, 適正温度では高温条件下よりも高く, 両温度条件下でも暗期における蒸散活動が認められた.(2) 積算日蒸散比と時間との関係は, 2次および対数関数で近似することができた.(3) 土壌中の水分はpF4.2以上でも蒸散活動があり, 葉内水分が寄与されるものと考えられた.(4) 植物体内水分を考慮した総有効水分量は, 従来の成長有効水分量よりも1.5~2.4倍多く, 有効雨量の増加および補給灌漑水量の節約が可能となった.

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© 社団法人 農業農村工学会
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