抄録
沖縄県で顕在化している赤土流出問題への対策として, 農地から流出し流末の沈砂池で堆積管理されている赤土の再流出を防止するための, 堆積土の循環再利用技術の開発が必要である. 本報では, 沖縄本島に設置した試験地を対象に, 循環再利用の前提となる沈砂池の強制排水方法ならびに堆積土の乾燥条件について, 現地試験および計算により検討した. 沈砂池内の暗渠を経由した排水試験では, 地区外へ高濃度の濁水を流出することなく排水が可能であった. また, 再利用を考慮すると, 日蒸発量が3~7mmのときの排水後の堆積深10cmまでの層の乾燥期間は, 2.5~6日と試算された. さらに, 堆積土の排水・乾燥時期は, 試算結果, 本地区での気象条件および作業環境等を考慮すれば, 10~ll月の期間内が好適と考えられた.