情報知識学会誌
Online ISSN : 1881-7661
Print ISSN : 0917-1436
ISSN-L : 0917-1436
論文
災害対応情報の共有化を考慮したXMLスキーマの設計
浅野 俊幸下羅 弘樹外間 正浩天見 正和佐土原 聡
著者情報
キーワード: 災害, 情報共有, XML, スキーマ
ジャーナル フリー

2008 年 18 巻 3 号 p. 220-239

詳細
抄録
災害時には,あらゆる災害対応情報がやり取りされている.しかし,災害対応実施機関は各種情報システムを整備しているが,他機関との情報共有を考慮したデータ構造になっていないために円滑な情報共有が行なわれていない.本研究では,災害対応の一例として水害に焦点を当て,水害対応に関する業務と情報を分析し,情報項目の体系化を試みた.さらに,XMLを用い,他機関と災害対応情報を共有することを目的としたデータ構造(XMLスキーマ)の設計方針・手法を提案し,スキーマを構築した.提案スキーマは,共通情報をまとめた基本スキーマと個別情報をまとめた応用スキーマで構築されているところが特徴である.また,水害対応経験がある新潟県見附市で行なった実証実験で使用し検証された.実証実験は,2004年新潟福島豪雨災害の事象を踏まえたシナリオに合わせ,参加7機関・協力11機関の参加のもと13種類のXMLスキーマに沿ったデータを複数の情報システムとネットワーク越しに情報共有を試みた.XMLスキーマの評価は,見附市職員へのアンケート調査で災害対応業務の実効性の側面から回答してもらい,情報共有が円滑に出来ており有用であるとの評価を頂いた.また,XMLスキーマを実際に情報システムで扱った参加機関の担当者に対してもアンケート調査し,課題はあるものの,必要な情報を共有できたとの評価を頂いた.
著者関連情報
© 2008 情報知識学会
前の記事 次の記事
feedback
Top