情報知識学会誌
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Unpaywallを利用した日本におけるオープンアクセス状況の調査
西岡 千文佐藤 翔
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2021 年 31 巻 1 号 p. 31-50

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抄録

 本稿は Unpaywall を利用して日本と世界のオープンアクセス(OA)状況を調査した.日本の調査では Unpaywall と Scopus に収録されている日本の著者による雑誌論文約 200 万件,世界の調査では Unpaywall に収録されている雑誌論文約 8,000 万件を対象とした.結果,日本と世界の OA の割合はそれぞれ 41.83%, 29.77%であることがわかった.日本の割合の高さの要因は,過去に出版された論文の多くがブロンズであ ることである.近年の傾向としてゴールドの割合の上昇が観察された.機関リポジトリで公開されている論 文の割合は 2000 年から 2010 年にかけて増加しているものの,2010 年以降は横ばいで約 5%である.2010 年以降の機関リポジトリのみで OA である論文の割合は約 1.5%である.グリーン OA を効率よく推進するためにも,各機関がそれぞれの OA の状況を継続的に把握できるような仕組みが必要である.

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