情報知識学会誌
Online ISSN : 1881-7661
Print ISSN : 0917-1436
ISSN-L : 0917-1436
31 巻, 1 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 長塚 隆
    2021 年 31 巻 1 号 p. 1-2
    発行日: 2021/02/28
    公開日: 2021/03/26
    ジャーナル フリー
  • 吉川 次郎, 高久 雅生, 芳鐘 冬樹
    原稿種別: 研究論文
    2021 年 31 巻 1 号 p. 3-19
    発行日: 2021/02/28
    公開日: 2021/03/26
    [早期公開] 公開日: 2020/11/06
    ジャーナル フリー

     Wikipedia 上の学術文献の参照記述の追加における持続可能性を明らかにするために時系列分析を行った.英語版全体での編集と参照記述の追加を比較した結果,両者は推移の特徴が異なり,参照記述の追加には伸び悩みが見られず近年においても一定の規模である.参照記述を追加する編集者は,2011 年以降は毎年4 月と11 月に多い点で周期的な特徴がある.参照記述を初めて追加した編集者(新規参加者) の過半数は,多くの年で1ヶ月のみ関与し,近年になるにつれてその傾向が強まっているが,近年でも一定の規模を維持している.周期的な特徴や新規参加者の規模の維持については,大学の授業を通じたWiki Education 参加者による影響が挙げられ,今後もこの活動が継続するとすれば,持続可能性は高いと考えられる.

  • 河合 将志, 尾城 孝一, 前田 隼, 西澤 正己, 山地 一禎
    原稿種別: 研究論文
    2021 年 31 巻 1 号 p. 20-30
    発行日: 2021/02/28
    公開日: 2021/03/26
    ジャーナル フリー

     日本では800以上の機関リポジトリが運用されているが,学術雑誌論文の登録に積極的な機関は一部に限られている.本研究では,機関リポジトリコミュニティに指針を与えることを目的として,学術雑誌論文件数と図書館員によるオープンアクセス推進活動の因果関係を分析した.国内87機関のデータを計量分析した結果,研究者へ直接アプローチする「学術雑誌論文提供依頼」の実施は,学術雑誌論文件数の増加に特に効果的である一方で,「オープンアクセス方針」の策定や「セルフアーカイブ」の実施は,それほど効果的ではないことがわかった.因果関係の詳細を把握するために,「学術雑誌論文提供依頼」に関して追加で収集した4機関のデータからは,その年間成功率の平均は36.32%であり,最も効果的に実施できている機関の平均と最高値は,それぞれ55.82%と73.20%にも及ぶことが明らかになった.

  • 西岡 千文, 佐藤 翔
    原稿種別: 研究論文
    2021 年 31 巻 1 号 p. 31-50
    発行日: 2021/02/28
    公開日: 2021/03/26
    ジャーナル フリー
    電子付録

     本稿は Unpaywall を利用して日本と世界のオープンアクセス(OA)状況を調査した.日本の調査では Unpaywall と Scopus に収録されている日本の著者による雑誌論文約 200 万件,世界の調査では Unpaywall に収録されている雑誌論文約 8,000 万件を対象とした.結果,日本と世界の OA の割合はそれぞれ 41.83%, 29.77%であることがわかった.日本の割合の高さの要因は,過去に出版された論文の多くがブロンズであ ることである.近年の傾向としてゴールドの割合の上昇が観察された.機関リポジトリで公開されている論 文の割合は 2000 年から 2010 年にかけて増加しているものの,2010 年以降は横ばいで約 5%である.2010 年以降の機関リポジトリのみで OA である論文の割合は約 1.5%である.グリーン OA を効率よく推進するためにも,各機関がそれぞれの OA の状況を継続的に把握できるような仕組みが必要である.

  • 三島 大暉, 宇陀 則彦
    原稿種別: 研究論文
    2021 年 31 巻 1 号 p. 51-70
    発行日: 2021/02/28
    公開日: 2021/03/26
    ジャーナル フリー

     2019年4月に改正文化財保護法が施行され,地域における文化遺産の活用が重視されるようになった.しかし,地域で活用が期待される文化遺産の情報は発見されにくい現状がある.本研究では,そのような地域文化遺産情報の発見可能性の向上のため,市区町村がWebに公開する文化財リストを地域文化遺産情報のコア情報として集約し,Linked Dataにより他の情報源との連携を可能とするメタデータモデルおよびシステムの機能要件を提案した.本メタデータモデルおよび機能要件に基づき,「地域文化遺産情報発見支援システム」を構築して評価した結果,市区町村が刊行・公開する書籍やWeb情報を含む信頼性の高い地域文化遺産情報を横断して発見できることを確認できた.

  • 天野 晃, 坂本 浩一
    原稿種別: 事例/調査報告
    2021 年 31 巻 1 号 p. 71-89
    発行日: 2021/02/28
    公開日: 2021/03/26
    ジャーナル フリー

     知識情報構造を表現可能な構造として均質化2 部グラフが提案されて以来、その形式記述とパーサーの実装に関しての議論は殆どなされてこなかった。本論文では、当該構造の表現が従来の言語では困難であることを示し、均質化2 部グラフ構造を表現する言語とそのパーサーの実装について提案を行う。また、提案された仕組みによる応用例を示し、これを元に知識の構造化と構造化(形式化)された知識に対する解釈に関しての展望を述べる。また、コンセプト実証のために作成されたツールについても解説する。当該ツールは、均質化2 部グラフ構造を形式記述可能な言語としては初めてのものである。なお、本論文は解説の要素が多いため、事実と考察が混在したスタイルを用いており、結果や考察の章は設けていない。

feedback
Top