2021 年 31 巻 4 号 p. 446-451
オープンプラクティスとは,オープンサイエンスの理念を実現するための個別具体的な研究実践である.心理学におけるオープンプラクティスには,オープンアクセスやオープンデータなどの研究完了後に行われるものだけでなく,事前登録,事前審査,オープンレビュー,プレプリント公開など,一連の研究活動の中に組み込まれているものも多い.それぞれにその目的と期待される役割があるため,独自の展開をたどっている側面があるが,今後は,複数のオープンプラクティスが,1つのパッケージとしてまとめられ,研究の開始から成果の公開まで,ごく自然に透明性とアカウンタビリティが高められるような仕組みが構築されていくことが望まれる.