本稿においては共生社会の実現に資するため,全盲の視覚障害者とテレビゲームを楽しむ際に晴眼者に求められる認識について,スーパーファミコンを使った実践を通して考察を行う.盲学校に所属する教員の晴眼者であっても全盲の視覚障害者とテレビゲームの繋がりをほとんど認識していなかったが,全盲の視覚障害者とテレビゲームで遊ぶ体験がその認識を大きく変化させた.また,全盲の視覚障害者が格闘ジャンルのスーパーストリートファイターⅡ ザニューチャレンジャーズに対応できていたことを踏まえて,激しいゲーム展開が予想される他のジャンルもプレーできるという期待を持つに至った.したがって,全盲の視覚障害者とテレビゲームを楽しむため,晴眼者には全盲の視覚障害者もテレビゲームができるという先入観のない認識が必要である.