本研究は視覚障害者の「遊び」におけるアクセシビリティと面白さ及び情報負荷の関係について明らかにするため,点字付きトランプによる「大富豪」とテレビゲームの格闘ゲームによる実践を行った.その結果,点字付きトランプはアクセシビリティの提供があることで,晴眼者と同等の情報負荷をもたらし,視覚障害者も面白さを感じ,対等に楽しめる「遊び」として成立している.一方,アクセシビリティの提供がない格闘ゲームであっても,アクセシビリティの不足からくる操作性の問題を軽減すれば,晴眼者と同等の情報負荷を実現することができ,視覚障害者も面白さを感じられる「遊び」として成立すると言える.以上の結果から,アクセシビリティの有無は「遊び」の成立に影響するものの,絶対条件ではないと結論づけられる.