2024 年 34 巻 2 号 p. 121-126
国立情報学研究所では,日本の学術情報にアクセスするためのオンラインデータベースおよび検索サービスとしてCiNii (サイニィ)を開発・運用している.このCiNiiはコンテンツの半数が日本語で記述されているため,利用者の多くは日本国内からアクセスしている.本研究では,CiNiiの利用者層を海外に広げるため,日本語以外の言語でもコンテンツを見つけやすくすることで,特に研究データ共有の原則のひとつである「発見性 (Findable)」の向上を目指す.今回,機械翻訳を活用して既存のCiNiiに英語化メタ情報を一括付与し,評価用サービスを開発した.本稿では,評価用サービスの概要を説明し,既存サービスに対するコンテンツ発見機会の向上効果,課題,将来の展開予定等について報告する.