筆者らは,地域資料に関する情報を記録した地域資料データの中長期的な収集・保存・公開を目指し,2023年5月から地域横断型データ共有基盤「AMANE Archives」の構築および運用に取り組んできた.現在,AMANE Archivesでは,画像・メタデータの蓄積・公開に加えて,3Dデータの公開・メタバースとの連携,市民参加型クラウドワークへのデータ提供など,さまざまな利活用の実現を目指している.その一方で,大量かつ複雑な資料データを効率的に生成するためのデータ生成ワークフローの確立や,一般市民向けサービスの公開に伴う急激なデータアクセス量の増加への対応,さらに,3Dデータをメタバース上において提示・公開するためのデータ連携の実現など,新たに取り組むべき課題も複数存在する.本報告では,AMANE Archivesの活用事例を紹介するとともに,今後の課題解決に向けた展望を述べる.