情報知識学会誌
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機械学習による字形類似度計測を用いた彝文字と漢字の字形比較
木村 規高
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2026 年 36 巻 2 号 p. 321-326

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抄録

 中国少数民族文字の彝文字は,漢字との字形類似性が指摘され,漢字から影響を受けた可能性が論じられてきた.しかし,その判断は人間の主観的な視覚評価によるものであり,定量的な検証が課題とされてきた.そこで本研究では,機械学習を用い,文字画像から学習された特徴量に基づく埋め込みベクトル間のコサイン類似度により字形類似性を定量化することで,課題の解決を図った.また,従来の研究では恣意的に選ばれた少数の字形のみが比較対象とされてきたため,文字研究用の語彙リストを用い,体系的な比較を行った.その結果,彝文字と漢字間で高類似度を示した字形は,数を表す字を除くとわずか数例であることが確認された.このことから,両者の間に体系としての借用関係を想定することは難しく,漢字からの借用は数字に限られると考えられる.また,それらの字形は楷書と特に高い類似性を示し,楷書が流布していた時期に借用された可能性が示唆された.

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