抄録
背景:
在留外国人及び訪日外国人の増加により、外国人が日本国内の病院を受診する機会が増えている。また日本政府は、深刻化する人手不足の克服に向け、外国人材の受け入れ拡大を図っており、今後ますます日本国内において外国人が増加することが予想される。医療従事者、外国人患者双方にとって、言語の不安なく治療や看護を受けられる、また実施するためには医療通訳の存在は不可欠といえる。そこで既に報告されている文献のレビューを行い、日本の医療通訳の現状を明らかにする必要があると考えた。
目的:
日本国内の医療通訳の現状と課題を明らかにする。
方法:
医中誌Meb (Ver.5)を使って、「医療通訳」をキーワードに検索した。対象となった文献を、質的帰納的分析を行った。
結果:
185 のコードから、17 サブカテゴリー、4 カテゴリーが抽出された。抽出された4 つのカテゴリーは、《医療通訳の対象となる外国人患者の現状》《言語課題に対する取り組み》《医療通訳が抱える課題》《医療通訳制度の実現化に向けて必要な点》であった
考察:
医療通訳が抱える課題を解決するためには、日本は組織的に取り組んでいく必要がある。医療通訳の資格を設置するなど、職業として確立させることが制度を定着させる上で重要である。