抄録
:令和3年に内閣府は『子供の生活状況調査』を実施した。「保護者票」とともに中学2年生対象の「中学生票」からなる質問紙調査であり世帯収入だけでなく生活習慣や精神状態、学習・学力の状況、進路展望など多岐にわたるデータ公開がなされている。本研究は家計とキャリアと人生設計に注目して『子供の生活状況調査』と最新の公的統計のデータマイニング(探索的分析と教育への仮説提案)を行う。研究目的1.として『子供の生活状況調査』での学習・学力の主観的状況や進学希望などのクロス集計を中心とした追加分析を行った。その上で、研究目的 2.として進学や就職、人生設計のなかの結婚などについて47都道府県ごとに公的統計の相関を探索した。“豊かさ”と“貧しさ”と地域差の多様性についてデータの検討を行った。その上で、学校改善において全体の普遍主義的課題と一部への選別主義的課題の考え方について議論を行った。